リピート率が低いときに広告宣伝で新規顧客獲得は逆効果
どうも中卒中小企業診断士のキタです。
僕は経営コンサルタントとしての経営相談で、「定期的に広告はしているのにお客さんが減って経営が上手くいっていない」という相談をたまに受けます。
広告の内容がイマイチという時もありますが、だいたい既存顧客向けの施策が十分にできていない状態で、新規のお客さん向けに広告を打って上手くいっていないことが多いです
今回の記事は、集客では新規顧客よりも既存顧客が重要という内容を説明していきたいと思います。
集客でリピートを重視するのが最優先
集客で既存顧客を重視するべき理由は以下のことが考えられます。
既存顧客の維持はコスト負担が小さい
既存顧客を重視する理由はまず集客コストが新規顧客は高いという面があります。
マーケティングでは「1対5の法則」や「5対25の法則」などの有名な法則があります。
「1対5の法則」は新規顧客を獲得するコストは既存顧客の5倍のコストが必要になるという内容。
「5対25の法則」は客離れを5%改善すれば利益は25%改善できるという内容です。
必ずしもこの数値が正しいということはないとは思いますが、大きく間違っているということはないのではないかと思います。
またコロナ禍では、新規顧客獲得が難しい業界も多いので、上記の法則以上にコスト差は大きくなっていると考えていいと思います。
既存顧客は比較的お客さんの質が良い
既存顧客はお店のファンになってくれているような人もいますが、新規顧客は不特定の人だからお客さんの質が悪くなりがちです。
また新規顧客の集客に割引などを使うと更にお客さんの質が下がるのでこの点は要注意です。
集客とは違う視点ですが、客単価を高める場合は質の良いお客さんをいかに増やすかが重要だったりします。
また質の良いお客さんを増やすことは、経営の安定に大きな効果をもたらします。
コロナ禍では既存のお客さんを大切にしているお店が、リピーターさんに支えられて業績を維持している印象です。
リピートしてくれていないとしたら、どこかに問題がある
そもそも既存顧客のリピート率が悪いということは、大きな問題点、解決すべき課題があるのではないでしょうか?
よくある問題点は以下のようなことが考えられます。
商品・サービス・接客の質や店の雰囲気が悪い
うまくいっていないお店は商品・サービス・接客の質や店の雰囲気等のどこかが悪いということが多いです。
もちろんお店で働いている人は無自覚だったり、あまり気にしていなかったりします。
問題意識さえあれば解決の方向に向かうのですが、この無自覚というのがくせ者ですよね。
意外と自分の店のネット口コミなんかを見ていないことが多いので、ネットの口コミを見て低評価がついていればそこが改善のヒントにすることが出来ると思います。
飲食店で味は美味しいのに、接客や店の雰囲気が悪くて低評価のついているお店がいかに多いことか・・・
クレーマーによる嫌がらせなどもあったりはしますが、大体書いていることは当たっていることが多いと思います。
リピートする理由がない
これは、お客さんに他のお店でも良いって思われてしまっているパターンですね。
これには他所と差別化を図ったり、自分のお店の魅力を効果的に伝えることが大切です。
魅力を効果的に発信することができれば、品質を変えなくても品質を高く感じてもらえたりする効果も期待できます。
例えば飲食店で、産地直送の〇〇~みたいなプロモーションをすれば、同じものを食べても味が違うように感じたりします(プラシーボ効果ってやつですね)。
またリピートしてくれた人向けのサービスを行うことも効果的です。
どうせ割引して集客するなら、リピーターさんにサービスして来店回数を増やしてもらうほうが良いと思うのですが、うまくいっていないお店は、リピーターさんは放っといても来てくれるからと蔑ろにして客離れを起こしていたりします。
ただ忘れられている
人は覚えておこうと思ったことでも忘れるものです。
僕も良いお店だからまた来ようと思っていても、そのまま忘れて気づいたらお店がなくなっていたということが結構あります。
人は習慣になっていない行動は、とりづらいという特性もあって、似たようなお店だったら行きなれた所を使いがちです。
リピートしてもらうためには、思い出してもらって、わざわざ来てもらうための施策が必要だったりします。
その際に重要なのが顧客リストです。
業種によっては難しい業種もあるかもしれませんが、顧客をリスト化しておければ、様々な施策を行うことが出来る用になります。
施策は最近だとライン公式アカウントなんかをDMの代わりに使ったり、いまだにメルマガなんかが大きな成果を出したりしていますね。
リピート率が低い状態で広告を打つと上手くいかない理由
うまくいっていない集客を、お客さんを水、お店をバケツにたとえて「穴の空いたバケツ」なんて言ったりします。
大きな穴が空いたバケツ(お客さんが出ていくお店)に水道から勢いよく水(新規顧客)をいれてもどんどんこぼれていきますよね。
水がこぼれるだけならまだマシで、ネットに悪い口コミをされて穴がさらに大きくなるかもしれません。
穴が空いたバケツに水をいれるようなことにならないように、まずはバケツの穴を塞いて、その後に水を入れれば、効率よくバケツ(お店)を水(お客さん)で満たすことができるのではないでしょうか。