どうも、中小企業診断士のキタです。
今回は中小企業がお客さんを集めるなら一番重視したい、関係性について解説していきます。
関係性の構築が有効なわけ
コスパでは大手企業には勝てない。
今、世の中には安くて良いものがたくさんあります。
安くて良いものは、基本的に大企業が大量生産などで生産を効率化しているから作れているものが大半です。
中小企業は大量生産をすることが難しいので、どうしてもコスパでは大企業の製品には勝つことができません。
コスパで勝てないなら、高品質なものを高価格で売るという戦略が有効になってくるのですが、高価格なものを売る場合にお客様との関係性がうすいとなかなか買ってもらえない状況におちいりがちです。
誰から買うかを重視する優良な顧客が一定数存在する
今はみんなのニーズが多様になっていて、世の中にはさまざまな情報や商品であふれています。
今は世の中の情報が多すぎて、さまざまな商品のなかから自分にあった商品やサービスを見つけるのは困難になってきていますよね。
とくに、めったに買わない高価格な商品や、品質の善し悪しがよくわからない商品なんかは、自分で情報を集めるのは大変です。
そんな時に、親しい人からのおすすめ情報などがあれば安心して買いやすくなる感覚は皆さん理解できるのではないでしょうか?
人はめったに買わない価格の高い商品や、品質がよくわからないものは、詳しい人や関係性のいい人からの情報を参考にしやすくなります。
例えば、新しい家電を買おうと考えているとします。
もし友達に家電屋さんがいたらその人に相談して、おすすめを教えてもらえたらその流れで、せっかくだからその人から商品を買おうかなってことになるような気がしませんか?
そもそも新規のお客さんを呼ぶのは大変
新規のお客さんを呼ぶのは、関係性のあるお客さんを呼ぶ5倍の費用がかかると言われています。
新規のお客さんを集客するためには全く知られていない状態ですので、チラシやネット広告を打ったり、訪問営業をしたりしてもなかなか、商品サービスの利用にまではつながりません。
ところが、一度でも当店を利用したことがあるお客様であれば、すでに当店を知っているので、チラシを見てもらったり、話を聞いてもらったりしやすくなります。
ここで関係性が良ければ良いほど商品やサービスの利用にまでつなげることも簡単になってきますよね。
よくある間違いとしては、既存のお客さんはほったらかしにしていても、また必要になったら来てくれるだろうという考えです。
今まで来てくれたお客さんで、情報発信をしなくても定期的に利用してくれるお客さんはごく一部の方です。
みなさんも、昔よく利用していたけど、最近利用していないお店はありませんか?
また、過去に利用して良いお店だったから、また来ようと思ったけどそのまま行けていないお店はありませんか?
もし思い当たるなら、あなたのお店からも同じような形で離れているお客さんがたくさんいるかも知れませんよ?
関係性を構築する具体的な方法
お客さんに頻繁に利用してもらいやすい、商品・サービスを提供する
お客さんとの関係性を良くするために重要なことは、定期的な接触です。
人は相手が嫌いな人でなければ、接触回数が増えれば増えるほど好感をもちやすくなるという特性があります。
専門用語では「単純接触効果」とか「ザイオンス効果」などと言います。
お客さんと定期的に接触するためには、高額な商品・サービスだけだとなかなか来店してもらうことが難しいですよね。
そんな時に比較的安価で利用しやすい商品・サービスがあると、お客さんに何度も来店してもらいやすくなります。
例えば、布団を販売している町のふとん屋さんだったら、布団や衣類などの修繕サービスを行うなどが有効です。
修繕でしたらお客様の費用負担も少ないので、何度も利用してもらいやすいですよね。
また布団に関して言えば修繕を繰り返していたら、いつかは修繕よりも買い替えたほうが良いタイミングが来ると思います。
そのタイミングで買い替えたほうが良いと提案すれば、これまでの関係性を理由に当店で買い替えもしてくれる可能性も高まります。
顧客情報を獲得して情報を発信する
お客さんとよい関係性を築こうと思っても、こちらから情報を伝える手段がなければなかなか手が打てません。
そのため、まずは当店を利用してくれたお客さんの連絡先を獲得することが重要になります。
例えば、アンケートへの協力や会員カードを作ってもらって、住所・電話番号・メールアドレスなどを入手する方法や、メルマガ会員やSNSで友達になってもらうなど、いろいろな方法が考えられますね。
お客さんの連絡先を入手したら、当店のお得情報や新商品、サービスなどの情報を定期的に届けてお客さんに当店のことを思い出してもらえるようにしていきます。
単純接触効果による効果は、直接会わないSNS・メルマガ・企業広告などの情報発信でも効果があると言われていますので継続的に情報発信していけば、お客さんに良好なイメージをもってもらいやすくなります。
ここで注意点として、2017年5月30日に「改正個人情報保護法」が施行されて、入手した個人情報宛てにDMなどを送る場合には事前許可が必要となっています。
お客さんに個人情報を記入してもらうときには「ダイレクトメールを希望する・希望しない」のような質問項目を設けるなどの工夫が必要です。
個人的には登録してもらうだけで1カ月あたり1000通まで無料でお知らせを送ることのできるLINE公式アカウントに友達登録をしてもらう方法がおすすめです。
ラインはスマホを持っている方なら、ほとんどの方が利用しているので、登録してもらいやすいというのもいいですよね。
ただし、LINE公式アカウントへの登録だけだとLINE以外個人情報が入手できないため、長期的に考えると住所・電話番号・メールアドレスなどの獲得も目指しておいた方が良いとは思います。
さいごに
いかがでしょうか、物や情報があふれた今の世の中ではお客さんと良い関係性を築くことの重要性はどんどん高まっていると感じています。
また現在のコロナ禍では、関係性の良いお店を積極的使って応援しようとする人もいます。
そのためコロナ禍の飲食店などでは、常連のお客さんが多いようなお店は売り上げがあまり落ちていなかったりします。
コロナ終息の見通しも立たないこともあり、これから先もお客さんとの関係性を良くしていく重要性はますます高まっていくのではないでしょうか?